最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)337 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由第一点(イ)について。
本件記録によれば、原審の指定した昭和三六年一二月二六日の判決言渡期日は、
同月一〇日控訴人(上告人)に適法に告知されたことが認められるから、所論は前
提を欠く。論旨は採用できない。
同第一点(ロ)について。
一旦終結した口頭弁論を再開するか否かは裁判所の裁量に属するところであつて、
当事者の申立てた弁論再開申請に対しその許否の裁判をしなくても違法といえない
ことはいうまでもない(当裁判所昭和二三年(オ)第七号同年四月一七日第二小法
廷判決判例集二巻一〇四頁、同年(オ)五八号同年一一月二五日第一小法廷判決判
例集二巻四二二頁参照)。論旨は採用できない。
同第二点について。
原判決の引用する一審判決は、被告は、原告に対する判示金銭消費貸借公正証書
の執行力ある正本にもとずき債権差押並びに取立命令を得、原告が訴外D通運株式
会社に対して有する退職金債権のうち合計一一万五九三四円を取立てたが、原告は
被告より右公正証書に示された金銭を借用したことがないから、被告は法律上原因
なくして原告の財産により右金額の利益をうけ、原告は同額の損失を受けた旨を判
示し、被告は原告に対し右金額の返還を命じたものであつて、被告のなした右強制
執行につき執行法上の救済方法があるからといつて、被告の右利得が法律上の原因
のあることにならないのはいうまでもないから、原判決は正当である。所論は、独
自の見解に基き原判決を非難するものにすぎないから、採用できない。
- 1 -
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐
裁判官 河 村 又 介
裁判官 垂 水 克 己
裁判官 石 坂 修 一
- 2 -